2020年12月13日追記
よりシンプルな方法がありました。「IC7600でN1MM+のボイスメモリを快適に使う」にその方法をまとめてあります。
はじめに
昨今のリグはUSB経由で音声を入力できますが、IC7600やIC9100など少し前の機種は「USB経由」と「マイク経由」の音声を同時に入力できません。つまり、コンテストログソフトでボイスメモリーを使う際にUSB経由でリグに音声を入れる設定にすると、マイクが完全に死んでしまいます。これだと明らかに不便なので解消法を模索しました。(IC7300やIC7610など最新のリグはUSB/MICモードがあるため問題ありません。)
環境
・ログソフト : N1MM+
・リグ : IC7600
(USB経由でリグコントロール、変調入力を行います。)
方法
◎ リグのDATAモードを活用する
(DATAモードにUSBからの変調入力を割り当て、ボイスメモリーを使うときのみこのモードに変更する)
N1MMは「{CATACTHEX}」でCI-Vコマンドを送信することが出来ます。この機能を活用し、
① ボイスメモリーの送信前にDATAモードをONにする
② メッセージ送信後にDATAモードをOFFにする
の2種類を実装します。
IC7600の取扱説明書 (リモートコントロールの部分) を読むと上記の機能はそれぞれ
① fefe7ae01A060101fd (DATA1モードをON)
② fefe7ae01A060000fd (DATAモードOFF)
を送信することで実現できそうです。恐らくCI-VコマンドはICOM機共通だと思いますので、開始コマンド「fefe」の次、受信コマンド「7a」を使用するリグのものに変更すれば同じように使えるはずです。コマンドが異なり使えない場合は説明書を熟読してください。
あとはこのコマンドをFanction Key設定に追記します。例えばノーマル状態だとのF1は
・F1 CQ,{OPERATOR}\Cq.wav
となっているはずですが、
・F1 CQ,{CATACTHEX fefe7ae01A060101fd}{OPERATOR}\Cq.wav{END}{CATACTHEX fefe7ae01A060000fd}
に変更します。必ず「{END}」をファイル名の最後に入れてください。これだけで「送信前にDATAモードON」、「送信後にDATAモードOFF」が実装できました。また、エスケープキーを押して途中でメッセージの送信を中断しても「DATAモードOFF」の機能は生きるので非常に使いやすいです。
さいごに
CI-Vコマンドを駆使することで、USBケーブル1本でPhoneのコンテストに快適に参加できることがわかりました。一昔前のICOM機はせっかくUSB端子がついているのに、MICと共存できなかったりCWキーイングができなかったりと今ひとつ使い勝手が悪いです。とりあえずこのような設定をすることでN1MMを用いたPhoneコンテストは快適に参加できることでしょう。また、CI-V経由でCWメッセージの送信もできるようなのでもしかすると後者の欠点も解消できるのかもしれません。CI-V奥が深い!
参考
・CI-V経由でコマンド送信すれば出来るよって書いてあったページ : https://groups.io/g/N1MMLoggerPlus/topic/ic_7600_voice_messages_via/32140878?p=
・N1MM+ Manual : https://n1mmwp.hamdocs.com/setup/function-keys/#catahex-catihex-catacthex-cataasc-catiasc-catactasc-macro-commands